HOMED-BP研究
電子血圧計を用いた客観的な高血圧治療に関する研究:
多施設前向き無作為オープン
Hypertension Objective Treatment based on Measurement by Electrical Devices of Blood Pressure Study
〜研究紹介〜

研究目的の要約
・日本人による日本人のためのevidenceの構築
1. 家庭血圧を指標とした
  a.降圧レベルと予後
  b.降圧レベルと臓器障害退縮
2. Ca-拮抗薬, ACE-阻害薬あるいはアンジオテンシンU拮抗薬による予後, 臓器障害退縮の差
3. 日本人の至適降圧薬療法、至適降圧レベルの決定
4. ITによる大規模介入調査の可能性の探索

研究概要の要約
序:
本研究は、general practiceを実践している臨床内科医により行われる降圧薬を用いた大規模介入試験です。試験は前向き無作為オープン結果遮閉(PROBE)試験の形式をとりますが、試験の進行は医療端末からオンラインで転送される家庭血圧情報とホストコンピューターのアルゴリズムにより制御される点が特徴です。また、試験に使用される薬物は、日常最も一般に使用されているものであること,更にアルゴリズムの最後に常に主治医の判断を許容することで本試験は日常診療の範囲で行われるということが、東北大学医学部の倫理委員会で承認されています。
目的:
本研究は、日本人による日本人のための高血圧治療のevidenceを構築するために行われます。三群の降圧薬(ACE-阻害薬群,Ca-拮抗薬群,アンジオテンシンU拮抗薬群)による降圧効果,予後,臓器障害進展の差を検討すると同時に、降圧目標レベルの差による予後,臓器障害進展の差を検討することを目的としております。
方法:
本研究に参加する医師には、診療所用スタンド式自動血圧計Omron HEM907-ITが各一台と、各医師が登録し得る人数分の家庭用血圧計OmronHEM747-IC-Nが配付されます(当初1セットとして7台配布)。これらの電子血圧計のデーターはインターネットにより東北大学のワークステーションに転送され、判断アルゴリズムに則り、ホストコンピューターから薬剤のランダム化、降圧目標の設定、増量、他剤追加等の指示が出されます。なお情報は三重のfirewallにより厳重に保護されています。
このアルゴリズムは現在本邦で行われている高血圧治療の一般的方法をより厳密にしたもので、米国合同委員会、WHO/ISH、日本高血圧学会のガイドラインに準拠しております。このような形で登録され、治療の行われる患者さんは平均6、7年間追跡され、その間の降圧状態、脳心血管合併症発症・死亡、臓器障害の進展などが降圧薬の種類、降圧レベルによって比較されています。
倫理的側面:
本研究はオープン試験の形式をとりますが、試験のプロセスがホストコンピューターの判断により制御されますので、本試験の参加者には登録時「説明と同意」を頂くこととなります。しかし、序に述べたごとく本研究のアルゴリズムの最終段階に常に主治医の判断が許容されており、結果的には治療の方法は全く日常診療と異なるものではありません。

実施計画書
研究組織図

研究スケジュール

2000年11月: prepilot study開始。東北大学を中心として、コンピュータ作動状態のチェックなどが行われました。

2001年5月: pilot study開始。東北大学を中心として、更に幾つかのsteering中心とした登録状況のチェックに用いられました。

2002年5月: 本試験開始。御参加下さる先生すべての施設で本試験が開始されました。

 …

2010年4月: 追跡終了。主結果の発表は翌2011年に行われました。

2013年: 追跡期間を延長して、その後の予後情報を収集しています。分析後、2014年に発表予定です。

選択薬剤用量一覧
研究概念図、フローチャート

患者さんへの説明文

 患者説明用パンフレット [表面] [裏面]

HOMED-BP研究サブスタディー

スポンサーシップ
HOMED-BP研究は、循環器病研究振興財団および動脈硬化予防研究基金からの研究費により行われます。しかしながら、本研究は研究者主導の研究であり、データの収集・分析および結果の公表はスポンサーと独立した研究グループによって行われています。

尚、詳しい概要につきましては「HOMED-BP研究概要書(PDF)」を御覧いただくか、または資料請求して下さい。

 

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