
ごあいさつ
2017年7月28日、仙台市に社団法人 東北血圧管理協会(Tohoku Institute for Management of blood pressure)が設立される運びとなりました。当法人は血圧管理の重要性を高血圧罹患者、一般市民に対し啓発し、認識を高めるための社会的活動を行うことを目的といたしております。

本邦における高血圧罹患者は4,500万人と推定され、このうち認識されていない高血圧者、あるいは、未治療の高血圧者が、2,500万人、更に現在降圧療法中の高血圧患者は2,000万人と推定されておりますが、良好に(正常域まで)血圧がコントロールされているのは、たかだか、1,000万人と推定されております。従って今日なお、3,500万人の高血圧有病者が高血圧医療の本来の恩恵を受けていない人々と考えられます。いうまでもなく高血圧症は、脳心腎血管病の最大の危険因子であるとともに、今日最も深刻な社会問題とさえいえる認知症、要介護者に到る最大の要因と考えられております。これらの疾病、状況は、高血圧の早期発見、早期治療、厳格治療により予防しうると考えられます。こうした高血圧の早期発見、早期治療、厳格治療のために当法人の構成員達は、家庭血圧測定を手段としてその臨床科学的意義についての研究を積み重ね、家庭血圧の世界的判定基準、並びに治療基準を設定してまいりました。当法人は、今後も高血圧の認識の向上と正しい家庭血圧測定の普及をはかります。また、これまで東北大学、花巻市などを中心として行われてきた、地域住民の健康管理を最終目的に、家庭血圧を指標とした疫学研究を継続支援いたします。その成果は高血圧の予防、治療に応用されます。またその成果から派生し、家庭血圧を中心に置いてその周辺の健康情報を用いた、遠隔健康管理システム、遠隔医療システムの構築を目指します。これ等のシステムは、今著しい勢いで増加している高齢者、過疎地域における孤立世帯住民などの健康管理、遠隔医療に応用されます。これ等の事業は、花巻市大迫地区におけるパイロット事業として継続、あるいは開始されます。
また当法人は、社会活動の一環として、市民講座をはじめとする、一般市民への啓発活動を行います。また事業の継続のため、障害福祉サービス事業を展開する予定です。
これ等一連の成果を得て、学術、社会貢献、健康福祉、殊に高血圧の予防、診断、治療に関する国内外の交流を企画いたします。
当法人の設立趣旨に御賛同頂き、今後皆様方の暖かい御支援をお願い申し上げます。
一般社団法人東北血圧管理協会
初代代表理事 今井 潤